ダイエットに興味がある方なら「ファスティング」
という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ファスティングとは「断食」のことです。
断食というと宗教的なイメージが強いですが、
ここ最近では、有名人やアスリートの中にも実践している人がいて、
以前よりもその注目度がグッと高まっているようですし、
もしかしたら皆さんの中にも、
取り入れてみようとお考えの方もいるかもしれません。
ただ、一口にファスティングといってもそのやり方は様々です。
そこで、今回は数あるファスティングの中でも、
2020年にカンパニア大学から発表された論文で紹介された
断食と運動でダイエット
「スポーツファスティング」についてお伝えします。
スポーツファスティングとは?
ファスティングは聞いたことがあるけど、
スポーツファスティングという言葉は
あまり聞いたことがないかもしれません。
これは簡単に言ってしまえば
「短期間の断食に運動を組み合わせたもの」です。
スポーツファスティングのやり方
今回参考にした論文の研究では、
白人男性107人を対象にしています。
期間は10日間で、
期間中は少し強度の高い有酸素運動を継続して行います。
スポーツファスティング食事面
ファスティングといっても
期間中全く何も食べないことはなく、
日ごとにカロリーを調整しています。
論文によるとその内訳は
1日目に1800kcal、
2日目に1200kcal、
3日目に800kcal、
4〜6日目に189kcal、
7日目に800kcal、
8日目に1200kcal、
9日目に1800kcal、
10日目に2200kcal
となっています。
見ていただくとわかるように、
最初の1日目〜3日目は徐々にカロリーの量を減らしていき、
中盤の4〜6日目はほぼ断食をキープし、
最後の7〜10日目にかけて、また摂取カロリーを増やしていきます。
ここで気になるのはやはり4〜6日目の
極端な食事制限の部分です。
189kcalというのは、ほぼ何も食べないのと同じで、
3日間とはいえかなりの負担でしょう。(研究では4〜6日は150mlのリンゴジュースだけ)
仕事など普段の活動に影響がでない
ともかぎりませんので、
その場合はこの時期の食事制限を
少しゆるくしてみてもいいのかもしれません。
それでも、かなりカロリーは抑えられているはずです。
さらに栄養面も気になります。
特に4〜6日食べ物からほとんど
栄養をとることができません。
そのためこの期間中は、
栄養補助食品によって
必須アミノ酸やビタミン、ミネラルなど
不足した栄養を補ったようです。
他にも参加者は1日2リットルの
水分を取るようアドバイスされています。
これは、食事量が減ることで、
食べ物から水分を取る量が減ってしまうからでしょう。
水は体の代謝をスムーズに行うために大切ですので、
意識して取るようにしてみてください。
スポーツファスティング運動面
この研究で参加者は、全期間を通じて
最大心拍数の70〜75%で30分間
サイクリングを行っています。
もちろん、必ずしもサイクリングである必要はなく、
きちんと目標の心拍数で行えるのであれば、
ジョギングや水泳など他の有酸素運動でもいいでしょう。
ただし、この心拍数だと
運動強度はややきつめです。
特に運動初心者の方や、
普段あまり運動をしない方の場合、
いきなりこの数値を目標とすると辛いかもしれません。
その場合、やや効果は下がるかもしれませんが、
55〜65%程度と少し低めの
心拍数を目標にすると無理なく運動を行えるはずです。
心拍数は手首を抑えるシンプルな
やり方でも計測できますが、
しっかり管理したいのであれば、
腕時計タイプの心拍計などを
活用してもいいかもしれませんね。
また、ご自身の目標心拍数の設定の仕方については、YOSHIDAGYMのこちらの記事を参考にしてみてください。
スポーツファスティングの効果
参考論文によると、参加者の総体重は
平均で3.9kg減少し、総脂肪量が3.3kg減少、
筋肉の減少は600gとなっています。
見ていただくとわかるように、
脂肪がたくさん減って、筋肉はあまり減っていませんね。
短期間のダイエットでは、
とにかく体重を落とそうと
無理な食事制限をしてしまいがちです。
するとせっかく体重が落ちても、
筋肉もたくさん減ってしまいます。
筋肉がなければメリハリのある体型にはなれませんし、
代謝が落ちてリバウンドしやすい体になるおそれがあります。
ですが、スポーツファスティングを正しく行えれば、
そうしたデメリットを避けられる可能性があるということです。
まとめ
今回は、短期間で体重や体脂肪の減少効果を期待できる
「スポーツファスティング」を紹介してみました。
特に短期間で見た目を変えたい人や、
体重や体脂肪を落とす必要が
ある人にとっては魅力的な方法と言えるでしょう。
ただし、極端なカロリー制限と
やや強度の高い有酸素運動に加え、
栄養面の管理も考えると決して楽な方法とは言えません。
場合によっては、今回お伝えしたように
カロリー制限や、運動強度の部分で少しゆるくしてみてもいいでしょう。
また、このスポーツファスティングは
人によって心身への負担をかなり感じるはずです。
ですからご自身のライフスタイルへの影響や、
今の健康状態などもきちんと
考えてから取り入れることをオススメします。