人工甘味料は太るのか?清涼飲料水やお菓子など、今や様々な食品に含まれている人工甘味料ですが、人工甘味料で体重は増加してしまう、その理由を解説します。
人工甘味料で太る人とは?
初めに結論から言いますと、カロリー計算を行っている場合は、太る可能性は低く、カロリー計算をしていない場合は、太ってしまう可能性があります。
そんなのは当たり前の話ではありますが、「甘味料だからと言って、大丈夫だと選んでいては太る」ということですね。
人口甘味料で太る理由
ではなぜカロリー制限ができている人は人工甘味料での体重増加の影響が少なく、制限していない人は注意が必要なのでしょうか。
人工甘味料を5158人の被験者に8年間摂取させた研究があります。
この大規模な研究では、体重増加と人工甘味料に摂取には強い相関があったとされており、8年間で一般の人と比べると人工甘味料を摂取したグループは1.5倍増えている数値でした。
人口甘味料とインスリンの関係
味蕾
これは、人工甘味料の甘みを舌の味蕾※(味蕾(みらい、英: Taste buds)は、舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官である。 人間の舌には約10,000個の味蕾がある。)で感知し、インスリンの分泌が始まるためです。
小腸
さらに最近では、甘みを感じる味覚みたいなものが小腸にもあることがわかりました。
人工甘味料が入ってきて、小腸にたどり着くと「インクレチン」というホルモンが分泌されます。このインクレチンはインスリンの分泌を活性させる関連性があります。
本来インスリンとは、血糖値が上がった際に糖や他の栄養素を細胞に運び、正常な血糖値に戻す役割を担っています。
人口甘味料と血糖値が原因か?
しかし、人工甘味料は糖がないので血糖値が上昇しません。上昇しないのにインスリンが分泌されると低血糖状態になります。そうなると身体は糖分を欲しがるので、余計に食べ過ぎてしまうのです。
これにより人工甘味料を摂取することで体重増加するのではないかと考えられます。
ただ、自分の摂取カロリーを計算し制御している人は、多少低血糖状態で空腹中枢を刺激されてもコントロールできると思います。
逆に制御していない人は、知らぬ間にいつもより多く食べていたりするので、体重増加に注意が必要ということです。
日本人における人口甘味料
まず、人工甘味料は1600種類ある食品添加物に1つです。食品添加物全体で、我々は年間約4キロ消費している(日本人)と言われています。
厚生労働省は人工甘味料について、安全、もしくは直ちに健康への害はありません、とされています。
人工甘味料のメリット
・甘いのに糖質ではないため、血糖値に変化を及ぼさない。
・カロリーはない、少ない。
・砂糖の数倍~数百倍の甘さを有し、少量で甘さを感じることができる。
人工甘味料でも血糖値を上げるものもあるので、太るという話もありますが、
短期的な人工甘味料の摂取で血糖値が上がるというデータはほとんどないようです。そこはあまり心配するところではないと思います。
人工甘味料と天然甘味料
甘味料といっても、人工と天然があります。
また人工甘味料の中でも、アスパルテームやスクラロースなどの「合成甘味料」と
キシリトールやソルビトールなどの「糖アルコール」があります。
天然では、ステビアやラカンカなどがあります。
この中でもカロリーがないものと、カロリーはあるけど砂糖の数百倍の甘みがあり、量を少なくできるため実際ほぼセロカロリーとして使用されているものがあります。
基本的に消化吸収もされないので、カロリーとしてもカウントしなくていいというのが一般的な理解です。
人工甘味料の継続的な摂取による耐糖能異常
耐糖能とは、インスリンの反応のことを言います。先ほども言ったように、血糖値が上がるとインスリンが分泌され、血糖値を下げてくれます。
人工甘味料を継続的に摂取すると、インスリンのセンサーがおかしくなる可能性があり、そうなると常時血糖値が高いままとなります。これは糖尿病や肥満のリスクあると考えられます。
人工甘味料の継続的な摂取の懸念としてこれらの問題が大きいと思います。
人工甘味料とどう向き合うか
生活の中で完全に人工甘味料を取り除くことは難しいでしょう。いかに向き合っていくかが大切です。
特に人工甘味料を避けた方がいい人として、妊娠中や授乳中の女性、糖尿病患者や片頭痛持ちの人、子供は避けた方がいいでしょう。
妊婦さんは人工甘味料の継続的な摂取で、早産のリスクがあるとも言われています。
心当たりがある人は、なるべく天然由来の食品をおすすめします。
最後に
日頃の食生活でも、コンビニ食ばかりの人や加工された食品ばかり食べるのではなく、食材を楽しむ機会があってもいいのではないでしょうか?
また、完璧に人口甘味料を避けるというよりは、うまく選択できることがより自然に生活にフィットすると思います。
味覚とダイエットの関係はこちらの記事をご覧ください。
参考文献:
Fueling the Obesity Epidemic? Artificially Sweetened Beverage Use and Long-term Weight Gain
味蕾(Wikipedia)