皆さんは一度でもダイエットをしたことがありますか?ありますね!
近年、さまざまなダイエット法が出回っており、誰もが一度はダイエットをしたことがあるのではないでしょうか。
ダイエットの基本はカロリー制限になります。一日の摂取したカロリーよりも消費したカロリーが上回っていること。また、PFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)を考えた、いわゆるバランスの良い食事の意識が大切です。
しかし、それらを行っていてもダイエットが停滞してしまうことがあると思います。
そこで今回は、腸内環境がダイエットの停滞に影響しているかもしれないというお話をしていきます。
腸内環境とダイエットの関係
先に答えを言います。
腸内環境が悪化することでなぜダイエットの停滞に関係するのかというと、基礎代謝が落ちるからです。
腸内環境が悪いと基礎代謝が落ちやすい
先ほどダイエットは摂取カロリー<消費カロリーとお話ししましたが、一日の消費カロリーには、基礎代謝60%、活動代謝25~30%、食事誘発性熱酸性10~15%と大きく3つあり基礎代謝の割合が高く占めています。
基礎代謝というのは、生きるために必要な最低限のエネルギーです。つまり生きているだけで消費されるカロリーとなります。
一日の消費カロリー
・基礎代謝60%
・活動代謝25~30%
・食事誘発性熱酸性10~15%
基礎代謝を上げるために筋肉をつけましょうとよく言いますが、基礎代謝の割合は肝臓27%、脳19%、筋肉18%、腎臓10%、心臓7%、その他19%と肝臓が4分の1を占める割合となっております。
ということは、肝臓に負荷がかかって肝臓での基礎代謝が下がってしまうと基礎代謝の大部分も下がってしまうということです。
基礎代謝の割合
・肝臓27%
・脳19%
・筋肉18%
・腎臓10%
・心臓7%
・その他19%
例えば、ダイエットのために糖質も脂質も減らそうと、たんぱく質を多く食べ過ぎると、すべて吸収できずに消化できなかった一部分が窒素に変わり、窒素からアンモニアへと変わります。
アンモニアは体内で有害なものなので排出するために肝臓で尿素に変わり、腎臓で尿となって排出されます。
つまり、体内でアンモニアが増えると肝臓に負荷がかかるということです。
これはたんぱく質の話だけではなく、アルコールの代謝の大部分も肝臓で行われます。
アルコールとダイエットの記事はこちらをご覧ください
腸内環境が動かないと基礎代謝が落ちる
まとめると、うまく腸内環境が動いていないと消化吸収されなかったたんぱく質が悪玉菌のエサになってアンモニアが作られ、肝臓に負担がかかり基礎代謝が落ちてしまいます。
これらのことから、腸内環境を整えることで基礎代謝の維持につながってくると考えられます。
善玉菌と短鎖脂肪酸
私たちの腸内には、多種多様な細菌がいくつも生息しており、それらの細菌が腸内環境を良い状態にしてくれています。その様子を顕微鏡でのぞくとお花畑のよう見えることから、まとめて「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。
腸内フローラには善玉菌2悪玉菌1中間菌(日和見菌)7の割合で存在し、善玉菌を構成するのがバクテイロイデス系の菌、悪玉菌がフィルミクテス系の菌といいます。
バクテイロイデス系の菌が増えることで積極的に短鎖脂肪酸が作り出されます。
短鎖脂肪酸とは?
酢酸・酪酸・プロビオン酸の総称をいいます。短鎖脂肪酸は身体に入ってきた脂質の中で特に飽和脂肪酸を吸収する量を制限してくれたり、脂肪を細かく分解してくれる役割があります。腸内細菌が乱れて、悪玉菌が増えバクテイロイデス系の菌が減ると、短鎖脂肪酸も減ってしまうのです。
よくメディアでは短鎖脂肪酸を増やすためにお酢を毎日取ろうダイエットがありますが、お酢に含まれる酢酸は体内ですぐ分解されるので、短鎖脂肪酸の働きは一時的となります。
それよりも善玉菌のエサである「オリゴ糖」や「水溶性の食物繊維」を摂ることが大切です。
オリゴ糖の含まれる食材
大豆などの豆類・たまねぎ・ ねぎ・ごぼう・にんにく・アスパラガス・ブロッコリー・カリフラワー・アボカド・バナナなど
水溶性食物繊維の豊富な食材
もち麦、イヌリン、納豆、海藻類、 納豆、インゲン豆、きな粉などの豆類やごぼう、かぼちゃなど根菜類やイモ類、海藻類、果物など
不溶性食物繊維と含めて一日20gが目標です。
もしくは、プロバイオティクスという身体に良い影響を与える善玉菌を外から摂取することで、整腸作用が期待できます。
最後に
ダイエットを行う上で食事のバランスや量を気にすることはもちろん大切です。
しかしそれだけではなく、あまり意識を向けない消化・吸収・代謝に目を向けてみると、停滞を打破できるかもしれません。