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血圧を下げるために効果的な運動の種類とは?

2025年には、世界人口の約60%が高血圧症になると言われています。

特に運動習慣のない方はそのリスクは
高いといっても過言ではないでしょう。

ではやみくもに運動を行うといいのかというと、そうではありません。
現時点での血圧レベルに合った運動があります。

 

高血圧とは

血圧測定

血管に過度の圧力がかかっている
状態を指します。

高血圧が続くと血管に負担がかかり、
血管系の疾患のリスクが高まります。

一つは脳の血管が破裂して
脳出血を起こすリスク、
また心臓はどんどん血流を送り出そうとして
次第に大きくる心肥大のリスクもあります。
心臓の動きがにぶり、
血液を全身に送り出す機能が低下します。

高血圧はさまざまな疾患を
引き起こす恐れがありますので、
定期的に血圧を測定し、
コントロールすることが重要です。

 

日本人における高血圧の状況

高血圧データ

日本人の高血圧患者数は
約4,300万人と予想されています。
実に日本人の3人に1人が高血圧なのです。
食生活の欧米化や人口の高齢化に伴い、
今後も増加すると考えられています。

 

早期対処が大事な理由

図1. メタボリックドミノの概念図 (出典:日本臨床 61(10) p.1837(2003))

この図のように、高血圧は比較的上流にあります。
早期に対処改善することにより、
重大な疾患を未然に防ぐことができます。

これは高血圧に限らず、
血糖値や脂質異常症などの
生活習慣病すべてに言えることです。

 

運動における高血圧改善

スイス・バーゼル大学のハンセン教授は、
「高血圧症の人では、有酸素運動による降圧の効果は、降圧薬を1回服用する場合と同じか、またはそれ以上です」

また、
「ほとんどの運動では、血圧降下の効果は投薬と同様に約24時間持続するため、可能であれば毎日活動することが最善である」
と述べています。

 

血圧数値から見る適した運動の種類

高血圧運動

血圧の数値で最も運動効果のある
プログラムをお伝えします。

高血圧症

血圧140/90mmHg以上の人は、
有酸素運動が効果的です。

自分のやりやすい運動で構いません。
ウォーキング、ランニング、
サイクリング、水泳などが含まれます。

正常高値

血圧130-139 / 85-89 mmHgの人は、
筋トレが効果的です。
背中、胸、腕、肩、脚、ふくらはぎでなど
全身まんべんなく行います。
スクワット、腕立て伏せなども効果的です。

正常血圧

血圧130/84 mmHg未満で正常の人も
運動が高血圧予防に効果的です。
ハンドグリップや
アイソメトリック筋力トレーニング
運動が効果的です。
※アイソメトリック筋力トレーニング:静的動作トレーニング”とも呼ばれ、筋肉を伸縮させずに一定の姿勢をキープして負荷をかけるトレーニング

 

運動の負荷設定

運動を定期的に行っている方は、
どれくらい行えばいいかなんとなく分かる
と思いますが、全く経験が無い方は、
“無理をしない”ことが重要です。

METs(メッツ)は身体活動の
強度を表す単位で、
横になったり、座って楽にしている状態を
「1」とした時と比較して、
何倍のエネルギーを消費するのかが分かります。

メッツ

 

高血圧症にお勧めの運動

血圧140/90mmHg以上の人は、
まずはウォーキングがベストです。

特別な器具が必要なく、
フォームを習う必要もありません。

全く運動をしていない方は10分から始めて、
息が上がらない程度でできてきたら、
15分、20分と増やしましょう。
毎日歩く事がポイントで、
胸を張って堂々と歩きましょう。

正常高値にお勧めの運動

血圧130-139 / 85-89 mmHgの人は、
自宅で行えるスクワット、
腕立て伏せがおすすめです。

スクワットはしゃがみ込む深さを、
浅めから行い10回できるようになったら、
深めと負荷を上げます。

10×3セット、インターバルは一分で
息があまり上がらない、
次の日の筋肉痛がなくなってきたら
負荷を上げます。
毎日行うことがポイントです。

正常血圧にお勧めの運動

血圧130/84 mmHg未満で正常の人は
比較的運動強度の低い運動でOKです。

ヨガやピラティスも効果的でしょう。
ジムに通ってもいいし、
お家でyoutubeを見ながら行うと
継続しやすいですね。

 

効果は薬と同様

高血圧運動効果

スイス・バーゼル大学のハンセン教授は、
「ほとんどの運動では、血圧降下の効果は投薬と同様に約24時間持続するため、可能であれば毎日活動することが最善である」
と述べています。

 

最後に

ハンセン教授が述べているように、
毎日行うことが望ましいです。
コツコツ行うことが、
数値改善につながり、
自分の身体に良い結果となって現れます。

習慣化が大事で、歯磨き、
洗顔、と同様の位置づけで
運動を取り入れましょう。

 

参考文献:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33758927/
https://academic.oup.com/eurjpc/advance-article/doi/10.1093/eurjpc/zwaa141/6168858
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html

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