五大栄養素の一つであるビタミン。
その中でも最も知られているのがビタミンCなのではないでしょうか。
アスコルビン酸
本来の名前は「アスコルビン酸」といい、壊血病を防ぐという意味で名づけられたようです。
ビタミンCは風邪に良いなどと聞いたことはあると思いますが、今回はいくつかの効果を詳しくご紹介します。
➀免疫強化
免疫には、「先天的なもの」と「後天的なもの」があります。
風邪を引くと、鼻水や咳、くしゃみが出ますが、これらは異物を除去するための先天的な免疫の一つです。そして鼻腔や気道の粘膜を突破すると好中球やマクロファージ、NK細胞などが異物を排除します。ここまでが先天的な免疫で「自然免疫」といいます。
この自然免疫を突破されると後天的な免疫が働き、それを「獲得免疫」といいます。獲得免疫では、リンパ球が活躍し異物を葬り去ってくれます。
自然免疫で出てきたマクロファージやNK細胞は「インターフェロン」というものによって増加します。インターフェロンには抗ウイルス作用や免疫調整作用などの働きがあるのですが、つまりはインターフェロンは増えれば免疫を強化できるというわけです。
そして、そのインターフェロンを増やしてくれるのが、ビタミンCなのです。
難しい話にはなりましたが、ビタミンCを摂取することで、免疫を強化され、風邪や感染症など幅広い効果をもたらしてくれます。
「風邪をひいたらビタミンC」とはこういうことです。
②コラーゲン合成
コラーゲンの合成や構造を形成するのに、ビタミンCが必要になります。また、体内でのコラーゲンの合成も促進してくれます。さらに、そのコラーゲン強化作用によってガンの転移を防ぐにも効果的と言われています。
コラーゲンは摂取しても、体内でアミノ酸に分解されてしまうので、たんぱく質をしっかり食べ、ビタミンCの摂取を心掛けたいところです。
③美白効果
ビタミンCは、シミの原因となってしまうメラニンの生成を抑えてくれます。メラニンはアミノ酸のチロシンから作られますが、チロシンがメラニンになるときチロシナーゼという酵素が働きます。
ビタミンCはそのチロシナーゼの働きを阻害してくれるので、メラニンが過剰に作られるのを防ぎ、シミ予防になるということです。
④老化防止
「身体が酸化すると老化する」とよく聞くと思いますが、それは「活性酸素」による影響です。活性酸素は、老化や癌、動脈硬化などの生活習慣病、アルツハイマーなど様々な病気の要因になると言われています。活性酸素が発生する要因は様々ありますが、運動によっても発生してしまいます。
ビタミンCは、その活性酸素をやっつけるのに活躍してくれます。抗酸化については、さらに詳しい内容を別の記事で説明します。
その他にも、ストレスホルモンであるコルチゾルを減らす作用が期待できるなど、ビタミンCで期待できる効果はたくさんあります。
摂取方法
さて、ここからはビタミンCの摂取方法についてお話します。ビタミンCは、水溶性ですので時間がたつと尿などから流れてしまいます。そのため、一度にビタミンCが多い食品やサプリを摂るのではなく、分割して摂取するのがお勧めです。
量としては、効果を出すために一日最低2g、できれば3~5gほど摂取したいです。
大量に摂っても尿から出るからムダじゃないの?と思う方もいると思いますが、大量に摂取し、尿から出るまでに様々な臓器をめぐります。
その際、臓器のビタミンC濃度を高めていきます。これは、ビタミンCを多くとる理由でもあります。大量に摂取することで下痢などを起こす方もいらっしゃいますので、いきなり増やすのではなく、様子を見て摂取していきましょう。
ビタミンCを多く含む食品
としては、キウイやいちご、ピーマンなどです。また、しっかりと量を摂取する場合は、サプリメントでの摂取もおすすめします。
ぜひ、今日からビタミンCを意識してみてください。