このような方へ
男性「ポッコリお腹から、ボコボコとした腹筋が目立つかっこいいお腹へ」
女性「キュッとくびれたメリハリのあるお腹を目指して」
原因は【脂肪】と【姿勢】です。
脂肪を落とすときにまず考えるのは「食事」と「運動」です。もちろんそれが一番大事なのですが、大前提として「正しい姿勢つくること」も忘れてはなりません。
指導数3万回以上のパーソナルジムを運営し、たくさんのボディメイクをサポートさせていただいた私吉田が、お腹周りの脂肪を効率よく落とすために役立つ知識をお伝えしたいと思います。
これを参考にして、ぜひ理想のお腹を目指してみてください!!
お腹と【姿勢】の関係
正しい姿勢が作れていないと、お腹周りの筋肉がうまく使えていない可能性があります。代表的な悪い姿勢としては反り腰や猫背が挙げられますが、反り腰では下っ腹がポッコリ出ているように見え、猫背の場合太鼓腹のように見えてしまうことがあります。
せっかく脂肪を落とそうと頑張ったのに、姿勢のせいで見た目が悪いと悲しいですよね?姿勢は体作りの土台となるものです。まずはこの土台をしっかりと整えてあげると見た目もきれいに見えてきます。
ここからは正しい姿勢や、姿勢に悪影響を及ぼす生活習慣についてお伝えしていきます。
正しい姿勢とは?
正しい姿勢とはいったいどういうものでしょうか?まずは真横から体を見ていきます。この時、背骨がゆるやかなS字カーブを描いているのが理想的です。具体的には頸椎(首の骨)が前方へカーブし、胸椎(胸の骨)が後方へ、腰椎(腰の骨)が前方へとカーブします。
正面から見た姿勢は、肩とウェストの左右差が無いか、膝が正面を向いているかががポイントです。
自分で姿勢の評価をするのはなかなか難しいので、トレーナーなど専門家に一度見てもらうのもいいでしょう。また、スマートフォン向けに姿勢をチェックしてくれるアプリもありますので、そういったツールをうまく活用してご自身の姿勢をチェックしてみてくださいね。
正しいデスクワークの姿勢
読者の方の中には仕事の時間の大半を机の前で過ごすという方もいると思います。当然この状態で姿勢が悪くなれば、立った時の姿勢にも影響します。
真横から見た時の正しい姿勢は立った時と同じです。耳、方の中央、股関節の外の出っ張りが一直線になっているかどうかを見ていきます。この時骨盤を立てるようにして座ると正しい姿勢を取りやすいです。
デスクワーク時、特にパソコンを使う時にはいつの間にか首が前に出ていたり、背中が丸まって猫背になることが多いので、定期的に姿勢を見直していきましょう。
スマホが及ぼす姿勢への影響
デスクワークの時の姿勢も大事ですが、現代ではスマートフォンの影響も馬鹿にはできません。電車などでスマホを使っている人たちの姿をご覧になってみてください。立っている人も座っている人も、目線は下を向き首も前に出て猫背になりがちです。
デスクワークに加えてスマホを使うのが当たり前の生活では、姿勢がさらに悪くなる可能性があります。
【皮下脂肪と、内臓脂肪】の影響
正しい姿勢を手に入れてもお腹周りが気になるのであれば、やはり食べすぎや運動不足による体脂肪の増加を考えた方がいいでしょう。全身に蓄えられた体脂肪はほとんどが皮下脂肪と内臓脂肪です。同じ脂肪にもかかわらず呼び方が違うのは、それぞれに特徴があるからです。
お腹周りの脂肪を落としたいと考えた時に、この2つの脂肪の特徴を知っておいて損はありません。
皮下脂肪とは?
皮下脂肪は皮膚と筋肉の間にある脂肪です。外からの衝撃を吸収したり、寒いときに体が冷えすぎないようにする役割があります。一番分厚いのは腹部で、他にも二の腕や背中、お尻や下半身につきやすいです。
皮下脂肪は女性につきやすいと言われています。その理由はホルモンです。女性ホルモンのエストロゲンは体脂肪を皮下にためるため、エストロゲンの多い女性は皮下脂肪がたまりやすいのです。
女性が太ってくるとお腹周りやお尻に脂肪がたまり、まるで洋梨のように膨らむことから、「洋梨型肥満」と呼ばれます。
内臓脂肪とは?
内臓脂肪は内臓のまわりにたまる脂肪です。体の中にある消化管の間にたまって動かないようにする役割があります。
男性の場合、女性と比べてエストロゲンが少ないため、皮下に脂肪をためておくことができません。では、その脂肪がどこに行くのかというと内臓の周りにたまるんですね。そのため男性は太りすぎるとお腹がどんどん膨らんでいきます。これを「リンゴ型肥満」と呼びます。
皮下脂肪と内臓脂肪はどちらが先に落ちるのか?
皮下脂肪と内臓脂肪は食事のコントロールと運動によって少しずつ落ちていきます。
では、どちらの脂肪が先に落ちるのでしょうか。気になりますよね?結論から言いますと内臓脂肪の方が先に落ちます。
内臓脂肪はつきやすい分、落ちやすくもある脂肪です。その理由は体のエネルギーが足りなくなったときに素早くエネルギーとして利用されるからです。ですから、内臓脂肪がたまった男性の場合、ダイエットを頑張りだすとポコっと膨らんだビール腹が割とすぐにへこんだりします。
一方、皮下脂肪は落ちにくいとされています。なぜなら体温調節や衝撃から体を守るためにはある程度必要だからです。ダイエットを始めてすぐに皮下脂肪が落ちてしまったら、体を守ってくれるものがなくなって危険ですよね。
皮下脂肪は落ちにくいだけであって、正しい食事のコントロールと運動を続けていれば徐々に落ちていくことには変わりありません。「何でお腹周りの脂肪がすぐに落ちないの!」と焦らず少し長い目でダイエットに取り組むことをオススメします。
お腹周りの脂肪を落とすために【代謝を上げる】
お腹周りの脂肪を落とすためには、食事のコントロールと運動を行うことが大前提です。それ以外にも代謝を上げることが脂肪を落とすための近道と考えられます。では、具体的にどのように代謝を上げればいいのでしょうか?解説していきます。
筋肉をつけて脂肪を燃焼する
代謝を上げる一つ目の方法は筋肉をつけることです。筋肉が1kg増えると基礎代謝量は50kcal増えると言われています。「えっ?たったの50kcalって少なくない?」と思うかもしれません。ですが、それは短期的に見た時のこと。
これが1ヶ月なら単純計算で1500kcal、1年だと18,000kcalと大きな差につながるのです。
単純計算で2.5キロ痩せます!
筋肉が増えれば基礎代謝が上がり、消費カロリーも増えるため脂肪は落としやすくなります。逆に加齢や運動不足によって筋肉が減ってしまうとそれだけ基礎代謝も下がり、太りやすい体になってしまうのです。
若い頃に比べて太りやすくなったのは筋肉が少なくなったからかも…私たちトレーナーがダイエットをしたいお客様に筋トレをしていただくのは、筋肉を増やしたりなるべく維持することで基礎代謝量を高くし、普段から痩せやすい体になってもらうためなのです。
詳しくはこちらをご覧ください
【筋肉】が1キロ増えると【消費エネルギー】はどれくらい増えるのか?
タンパク質を多くとる(DIT)
代謝を上げる二つ目の方法は食べるものを変えることです。具体的にはタンパク質を多く摂ることをオススメしています。人は食べ物を食べた時に代謝が上がります。これを食事誘発性熱産生(DIT)と言います。この代謝の量は糖質、タンパク質、脂質のどれを食べたかによって変わります。
糖質→約5%
脂質→約4%
タンパク質→約30%
これだけ見てもタンパク質が圧倒的に代謝を上げてくれることがわかるでしょう。ところが、多くの方は思ったよりもタンパク質を摂れていません。
朝は食パン、昼はパスタ、夜はラーメン。もしかしたらこんな食生活に思い当たる節がある方もいるのではないでしょうか?パッと見てわかる通り、この場合明らかに高糖質、高脂質、低タンパク質の食事です。
こうした方は、毎食しっかりタンパク質を摂るところからスタートしましょう。肉や魚、卵などタンパク質が多く含まれるものを毎食チョイスするようにし、その分糖質や脂質が多い食べ物を減らしてみてください。地味かもしれませんがそれだけでも、食事による代謝の量を増やせるはずです。
詳しくはこちらをご覧ください
DIT(食事誘発性熱産生)しょくじゆうはつせいねつさんせいとは?
お腹周りの脂肪を落とすおすすめの運動3選!
ここではお腹周りの脂肪を効率的に落とす運動を紹介します。
脂肪燃焼には「HIIT(ヒート)」
HIITとは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略で、強度の高い運動とインターバルを交互に数分間繰り返します。短時間で代謝を上げ脂肪燃焼にも効果があると考えられています。
動画では運動時間を5分に設定し強度の高い運動40秒、休憩10秒を交互に繰り返していますが、特に時間や種目に決まりはありません。ダッシュ20秒、休憩10秒を10セット行ってもいいですし、エアロバイクを全力で30秒漕いで20秒休憩のような形でも問題ありません。
ただし、運動初心者の方や久々に運動を行う方には強度が高すぎる可能性もあります。初めは運動時間を短くしたり、休憩を長くするなどし、体が慣れてきてから徐々に強度を高めるようにしてみてください。
また運動強度の設定は初心者の方には難しいかもしれません。その場合、吉田ジムのYouTubeチャンネルから様々な強度のHIIT動画をご覧いただけますので、ぜひ参考にしてみてください!
脚の大きい筋肉を付ける「バックランジ」
ここからは基礎代謝を上げるため大きな筋肉をつける種目を紹介します。一つ目の種目はバックランジです。
【鍛える部位】
主に下半身。お尻や太ももといった大きな筋肉が鍛えられます。
【フォーム】
●背骨が自然なS字を描く正しい姿勢で。足幅は股関節幅にする。
●片足を後ろ側に出し体をやや前傾させながらしゃがむ。
●下げる位置は前の太ももが地面と平行になるまで下ろして立ち上がる。
【ポイント】
●重心は前足に置く
●母指球、小指球、踵の三点をしっかりつける
【注意点】
●膝が内側に入らないようにする
●背中が丸まらないようにする
●膝が爪先よりも前に出ないようにする
●膝を引きすぎないようにする
バックランジは下半身の大きな種目を鍛えるのに有効な種目です。器具がなくてもある程度大きな負荷をかけることができるので、自宅で下半身を鍛えたい人は是非試しみてください!もし、バランスが取りにくいのであれば、初めは壁に手をつくなどして、バランスの取りやすいフォームからスタートしてみてください。
家でもできる上半身のトレーニング「腕立て」
【鍛える部位】
主に上半身の胸の筋肉と二の腕が鍛えられます。補助として肩の筋肉も使われます。
【フォーム】
●手幅は上体を下ろした時に、前腕が地面と垂直になるところを目安にする
●手の位置と胸のラインが平行になるようにする
●姿勢は一直線からスタート。胸が地面につくギリギリまで下ろして上体を元の位置に戻す
【ポイント】
●体を下ろすときに肩甲骨を寄せて胸を張るようにする
●視線は真っ直ぐ地面を見る
【注意点】
●腰が反ったり、背中が丸まったりしないようにする
●顔を上げたり、うつむいたりしないようにする
腕立て伏せは王道の種目ですが、正しいフォームで行えば胸や腕にある程度大きな負荷をかけることができます。ただ、女性の方や、筋力がない方ですと最初は難しいかもしれません。その場合、動画でも紹介している膝をついた負荷を下げたフォームからスタートしてみてください。
部分痩せの可能性
良く使う部位は脂肪燃焼ホルモンなどが働き、脂肪燃焼を促進させる酵素が活性化されます。ホルモンは血液を通り全身にめぐるので、血液循環の良いところほど、脂肪燃焼が起こりやすくなっています。
二の腕や太ももに比べ、手首周辺やふくらはぎは日常でよく使います。ということは、血液も良く流れていて、脂肪燃焼酵素も活性化しているということです。やはり、お腹周りのトレーニングを行うことは“少しは”効果が期待できそうです。
詳しくはこちらをご覧ください
【部分痩せは不可能?】可能です。秘密は血行とミトコンドリアにあります。
まとめ
お腹周りの脂肪が気になる方は、まず正しい姿勢が取れているかどうかをチェックしましょう。その上で、ぜひお腹周りの脂肪を落とすための運動にもチャレンジしてみてください!
参考サイト:
【理論3】減量に筋力トレーニングが必要な理由