「血糖値が高いので、運動を習慣化しましょう」など、【糖尿病】の方や【糖尿病予備軍】の方は、まず間違いなくお医者さんに言われると思います。本当に効果あるのかな~、実際どのような効果があるのかな?と思う方は多いと思います。」
糖尿病の方や、血糖値が高い方に運動は効果があります!と断言します。糖尿病や糖尿病予備軍の方に対して運動はどのような効果があるのか、わかりやすく解説します。
インスリン抵抗性
インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態のことをいいます。インスリン抵抗性があると、インスリンが分泌されても、血液中のブドウ糖を取り込まないため、血糖値が下がらず、糖尿病の発病につながります。
GLUT4とインスリンの関係
GLUT-4(グルットフォー)とは:インスリンに応答して血糖値を保つために重要な役割を果たしています。インスリンが分泌されると、普段は細胞の内側にあるGLUT-4が細胞の表面へ移動します。
このGLUT-4が、血液中のブドウ糖を、筋肉組織や脂肪細胞などに送り届ける役割をはたしているのです。
インスリンが分泌されていても、GLUT-4の数が少なかったり、その働きが弱いとブドウ糖をしっかりと細胞に送り届けることが出来ず、血糖値が下がりません。
インスリンが筋肉のドアをノックし、ブドウ糖が運ばれてきたことを教えます。すると、GULT4が出てきてブドウ糖を筋肉に取り込みます。
運動による糖尿病予防の効果
運動による糖尿病予防効果には①運動のたびに都度生じる効果と、②運動を継続して生じる効果があります。
①運動の都度生じる効果
2型糖尿病の型は、インスリンの抵抗性(インスリンが出ていても働きずらい)になりますが、運動は、インスリンとは別の回路で血糖を取り込みます。これは、筋収縮運動が糖の取り込みを良くするからです。
②運動を継続して生じる効果
GLUT-4が増え、骨格筋の血糖取り込み能力が向上します。そして、継続した運動は脂肪減少効果を期待できます。
運動習慣により2型糖尿病の発症率が40 %も低下する
軽い運動習慣により2型糖尿病の発症率が8年間に40 %も低下することが示された調査があります。
糖尿病の発症率と運動の関係
■ほとんど運動しない群では,約1万3千人中422人(3.2 %)発症
■軽い運動(週に1回で30分程度のウォーキング)を行った群では、約1万5千人中296人(1.9 %)発症
運動のレベルが強いほど糖尿病の発症頻度は少なくなる
軽度の運動でもかなりの糖尿病の発症頻度の低下が認められますが、歩行速度が速い人ほど糖尿病の発症頻度が顕著に低下します。
まとめ
運動をすることによって、その都度得られる効果、継続して得られる効果があるという事です。脅かすわけではないのですが、血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろく、ボロボロになってしまういわゆる血管病になります。網膜症・心筋こうそく・脳こうそくのリスクが高まってしまうのです。糖尿病や予備軍の方に運動はプラスしかありません。「運動なんてハードルが高いな・・・」と思っている方、“今よりも歩く”だけでもいいのです。歩くことに慣れてきたら速歩きをしたり、ジムに行って筋トレをしたりすると良いでしょう。